Amazon Prime Original ドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 〜東京湾大海戦〜」1話〜6話を観る

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非常に楽しみにしていた「沈黙の艦隊」のドラマがAmazonプライムビデオで配信が始まりましたので早速観てみました。まずは1話〜6話で、残り7話〜8話は2/16以降に配信となります。

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一気に見終えたので面白かったと思います。やはり映像はすばらしいですね。よく作りこまれていると思います。

「沈黙の艦隊」はミリタリー的な要素はもちろんのこと、政治面も面白いのですが、今作では政治面はマイルドになっている感じです。

主演の大沢たかおが海江田四郎の役にぴったりな感じで、特にいつも不敵な笑みを浮かべているところなんかは海江田四郎そのままといった印象です。

7話〜8話が大変楽しみですが、一方で、個人的には気になる点がたくさんありました。

つらつらと書いてみます。

海江田と深町が同期じゃない

原作では海江田と深町は防大で同期でしたが今作では深町が後輩のようです。まあ挙げてはみたもののそれほど気にならないか。

深町がかっこよすぎる

見た目的な意味で。深町の役は玉木宏が演じていますが、細身なので原作の深町のイメージとは正直全然違います。深町はもっとこう、図体がデカくていつもご飯をモリモリ食べているイメージなので、結構違和感が。今後ご飯を食べるシーンが出てくるのだろうか。

天津航一郎が出てこない

いや割と重要な人物じゃ…。なぜ出ないのか。

ジャック・ターナーが出てこない

いや割と重要な人物じゃ…。なぜ出ないのか。

米国がだいぶ弱腰

うそでしょと突っ込みたくなるくらい米国の弱腰が目立つような。米国って遠慮なんかしない強気な国だと思っていますし、少なくとも原作ではそう描かれています。一番残念なのはリチャード・ボイス第7艦隊司令官。原作ではヒステリックボイス、なんて言われているのですが、今作では人の好いおじいちゃんに見えました。「やまと」への対潜弾による攻撃シーンでは、核の懸念はあるとはいえ爆発深度に手心を加え、意図的に逃がしたような描写も。しかも戦闘後、巻き込まれた「たつなみ」艦長の深町にお詫びを送るなど、いやそれ要ります?って気も。(あと提督って呼ばれていましたが原作では大佐だったはず…。)

「やまと」(シーバット)のすごさがあまり伝わってこない

とんでもない性能をもった攻撃型原子力潜水艦、というのがあまり伝わってこないです。スピード、潜航能力、こういった点が他の潜水艦を圧倒してすごいんだ、という描写が足りない。

「やまと」(シーバット)から「トマホーク」が発射される

原作では「やまと」搭載の艦対艦ミサイルは「ハープーン」ですが、今作では「トマホーク」が搭載されています。対艦攻撃型の「トマホーク」って今はまだ無いはずですので、このあたりは「やまと」のスペシャル感はありますね。

魚雷の探信音が描かれていない

潜水艦モノで個人的には一番大事だと思っている魚雷走行中の探信音。これが全然描かれていないんですよね。すごく残念でした。「ピーン、ピーン、ピーン…」みたいなアレが、迫りくる魚雷に対しての緊張感を演出してくれているのですが、どういうわけが全然ない。モーツァルトの交響曲第41番(ジュピター)を艦内に流して偽装工作を行うシーンではもしかしたら要らなくてもいいかも知れませんが、それ以外のところでは探信音は積極的に使って欲しかった。

ソ連のアルファ級攻撃型原子力潜水艦「スコーピオン」が出てこない

これも残念でした。「スコーピオン」との戦闘では、「やまと」は「スコーピオン」が発射した魚雷に逃げるどころか逆に向かっていき、魚雷の安全装置が解除される前に到達、体当たりして魚雷を破壊し、「スコーピオン」に対して有利な位置を取る、みたいな面白い戦術が原作では描かれているのですが、これがまるっとない。時代が時代なので、ソ連ではなくてロシアでもいいし「スコーピオン」ではなくてもなんでもいいので、この戦闘をしっかり映像化して欲しかった…。

艦名が原作と違う

原作では、モルッカ海峡の戦闘で出てくる米国の原潜はロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦「ダラス」をはじめ、「シカゴ」、「カンザス」、「ヒューストン」、「デンバー」、「リトルロック」。今作では「キーウェスト」と「アッシュビル」。これについては今現在の第7艦隊所属潜水艦として実際に任務に就いている潜水艦なのでリアリズムで良しかも。

日本の第2護衛艦群がやられるシーンがほぼない

原作では沖縄沖の戦闘で、沼田一佐(今作では海将補)率いる第2護衛艦群がソ連と米国から攻撃を受けて割とやられてしまうのですが、今作ではそれがほとんどないです。このシーンは、自衛隊の存在について考えさせられる非常に重要なところなので、原作通り映像化して欲しかったです。


…とまあ好き勝手に書いてみましたが、面白いは面白いです。