AndroidのマイナンバーカードがGoogle ウォレットに対応へ。これまで・これから・iPhoneの違い

AndroidのマイナンバーカードがGoogle ウォレットへ。先行していたスマホ用電子証明書と新たな属性証明機能の違いを、iPhoneと比較。2026年10月20日の開始予定、本人・年齢確認、マイナ保険証、対応機種の注意点まで整理します。

AndroidとiPhoneに表示されたマイナンバーカードのイメージと、Google ウォレット対応を紹介する女性

AndroidのGoogle ウォレットにマイナンバーカードを追加できるようになる、と聞いて「AndroidはiPhoneより先に対応していたのでは?」と思いました。僕もそう覚えていたので、今回何が変わるのか気になります。デジタル庁が発表した開始予定日は2026年10月20日。これまで使えた機能、新たに加わる機能、そしてiPhoneとの違いを、混同しやすいマイナ保険証の話も含めて整理します。

Androidが先だったのは「電子証明書」の対応

記憶は間違っていませんでした。Androidでは、2023年5月11日に「スマホ用電子証明書搭載サービス」が始まっています。iPhoneのAppleウォレットへの搭載が始まった2025年6月24日より、約2年早い対応です。

ただし、両者が最初に搭載した機能は同じではありません。デジタル庁の機能比較資料によると、Androidが先行したのは、本人認証や電子署名に使う「電子証明書機能」。iPhoneは、その機能に加えて、氏名や住所、顔写真などを証明する「属性証明機能」も搭載して登場しました。

電子証明書は、オンラインで本人であることを確認したり、申請内容に電子的な署名を付けたりするための仕組みです。Androidでは実物のカードを使ってスマホ用の電子証明書を発行・搭載し、その後はカードを毎回読み取らずに対応サービスを使えます。

マイナポータルで薬や医療費、年金の情報を見る、引越しの手続きをする、e-Taxで確定申告をする、コンビニで住民票の写しを取得する、といった用途がすでにあります。対応サービスは開始後に順次広がってきました。

なお、iPhoneでもウォレット搭載前から、実物のカードを読み取ってマイナポータルなどを使うことはできました。「カードをスマホで読む」と「カードの機能をスマホに持たせる」は、分けて考えるとわかりやすくなります。

Google ウォレットで加わる「属性証明機能」とは

属性とは、その人についての情報のこと。今回の文脈では、氏名・住所・生年月日・性別といった基本4情報や、顔写真などを指します。こうした情報が正しいことと、提示している本人の情報であることを、受け取る相手が確認できる仕組みが属性証明です。

この仕組みを、デジタル庁は「カード代替電磁的記録(属性証明機能)」として案内しています。難しい名前ですが、たとえば窓口で氏名と住所を確認したい、店舗で年齢を確認したい、という場面で使うデジタルな身分証明の仕組み、と考えると用途が見えてきます。

新しい「Androidのマイナンバーカード」は、従来の電子証明書機能にこれを加え、Google ウォレットから利用できるようにする予定です。画面にカードの画像を保存するだけではなく、対応する読み取り側が情報を検証する仕組みです。

情報の共有方法もポイントです。Googleは、開示するデータを利用者が確認・管理できると説明しています。Appleも、共有前に要求された情報を確認し、Face IDやTouch IDで承認する流れを案内しています。何を相手に渡すのかを確認して使うことが、ウォレット上の身分証の特徴です。

デジタル庁の2026年10月2日の発表では、10月20日のリリース以降、まず官民の対面サービスで本人確認・年齢確認・住民確認に使えるようになるとしています。ただし、店舗や窓口側も読み取りに対応する必要があります。開始日は最終テストの結果によって変更される可能性も明記されています。

これまでのAndroid・新しいAndroid・iPhoneを比較

違いを並べると、「どちらが先だったか」だけでは説明できなかった理由がよくわかります。

比較項目従来のAndroid新しいAndroidiPhone
サービススマホ用電子証明書AndroidのマイナンバーカードiPhoneのマイナンバーカード
開始時期2023年5月11日2026年10月20日予定2025年6月24日
ウォレットへの搭載Google ウォレットへの搭載ではないGoogle ウォレットAppleウォレット
電子証明書による認証・署名対応引き続き対応予定対応
属性証明機能未搭載新たに搭載予定搭載済み
対面での本人・年齢確認新方式の属性証明には非対応読み取り対応先で利用予定読み取り対応先で利用可能
マイナ保険証対応医療機関・薬局で利用可能従来から使える機能対応医療機関・薬局で利用可能
対応端末従来サービスの対応機種新サービスの案内を確認iPhone XS以降・iOS 18.5以降

※2026年10月3日時点。新しいAndroidの欄は発表済みの予定です。各サービスでの利用には、端末だけでなく読み取り側の対応も必要です。

電子証明書による行政手続きは、すでに両方で利用できます。今回Androidに加わる大きな違いは、属性証明とウォレットからの利用です。搭載する機能の種類では、iPhoneと同じ方向へ進むことになります。

一方、同じ機能を搭載しても、操作方法や利用できるサービスがすべて一致するとは限りません。スマホ側の機能と、実際に受け付けてもらえる場所は、別々に確認する必要があります。

マイナ保険証や口座開設は「今回初めて」ではない

特に混同しやすいのがマイナ保険証です。スマートフォンでの利用は、2025年9月19日から、準備の整った医療機関・薬局で順次始まっています。Androidは従来のスマホ用電子証明書、iPhoneはAppleウォレットのマイナンバーカードを使います。

つまり、Androidで病院の受付にスマホを使うために、今回のGoogle ウォレット対応を待つ必要はありません。健康保険証の利用登録などの準備と、受診先の対応が必要です。

操作にも違いがあります。デジタル庁のマイナ保険証の利用案内では、Androidは受付のカードリーダーでスマホ用電子証明書の4桁の暗証番号を入力してから、スマホをかざす手順になっています。iPhoneはウォレットのカードを選び、Face IDやTouch IDで認証してからかざします。新しいAndroidの受付操作については、提供時の案内を確認したいところです。

また、「新機能で銀行口座開設や携帯電話の契約に使える」という説明も、従来は本人確認が一切できなかった、という意味ではありません。電子証明書による公的個人認証も、オンラインの本人確認に使う仕組みです。従来サービスでも民間サービスへの利用が案内されており、実際の対応は事業者ごとに異なります。

Googleは新機能の紹介で、新しい仕組みによる口座開設や携帯契約、オンラインや店舗での年齢確認などの用途を挙げています。ただ、10月2日の発表で最初の拡大対象として挙げられたのは対面サービスです。「10月20日から、どの銀行やアプリでも使える」とは受け取らない方がよさそうです。

iPhoneも含め、実物のカードが必要な場面は残る

iPhoneのマイナンバーカードはAppleウォレットから使えますが、受け付ける店舗や窓口は対応先に限られます。デジタル庁の対面確認アプリでも読み取れますが、ウォレットに追加できたことだけで、どこでも身分証として通用するわけではありません。

Apple Watchにも注意が必要です。交通系ICカードのように腕時計へ移せそうに見えますが、iPhoneのマイナンバーカードはApple Watchには対応していません。

マイナ免許証とも別です。現在の公式案内では、iPhoneのマイナンバーカードとAndroidスマホ用電子証明書は運転免許証の代わりになりません。今回の属性証明の追加を、運転免許証のスマホ搭載まで含む発表と考えないようにしたいです。

新しいAndroidの対応機種も、従来の対応一覧から決めつけられません。10月2日の発表では、一定の基準を満たすセキュリティチップを搭載した端末が対象で、詳細は10月20日までに掲載予定とされています。Google ウォレットが動く端末なら全部使える、とはまだ言えない段階です。

なお、現在の追加・設定用アプリは「マイナアプリ」です。2026年8月25日に従来のマイナポータルアプリが刷新されました。このアプリの変更と、10月のGoogle ウォレット対応は別の変更です。古い設定記事を読むときは、アプリ名と対象サービスを確認すると迷いにくくなります。

「対応済み」が指す機能まで見ると納得できる

僕が混乱したのは、「マイナンバーカードに対応」という言葉で、認証や署名、身分証の提示、保険証の受付まで同じものとして受け取っていたからでした。

Androidは電子証明書で先行し、iPhoneは後から電子証明書と属性証明をまとめてウォレットに搭載。今回Androidにも属性証明とGoogle ウォレットからの利用が加わる、という流れです。

これから注目したいのは、搭載できるかに加えて、普段使う店舗や窓口が受け付けてくれるかどうか。対応端末と利用先の両方が広がれば、身分証を使う場面でもスマホに任せられることが増えていきそうです。実物のカードが必要な場所に備え、当面はカードも携帯しておくのが確実です。

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