10月23日、ついにiPhone Duoが発売されました。大きな画面を折りたたんで持ち歩けるのは魅力ですが、毎日開け閉めするヒンジは、やはり気になるところです。実機レビューでは動きの滑らかさが評価される一方、発売直後の画面割れ報告も出てきました。Xとネット上の情報を読み比べ、ポジティブな話とネガティブな話を、その根拠とともに紹介します。情報は2026年10月24日時点です。
まずは、ヒンジと「画面の折り目」を分けて見たい
Appleの発表資料によると、ヒンジは100以上の部品で構成され、開閉を制御するとともに、開いたときの画面中央を支えます。内側の画面には、折り目を目立ちにくくするNano-texture仕上げも採用されています。
ここで混同したくないのは、開閉する機構の使い心地、折り目の見え方、画面が壊れずに使い続けられるか、という三つの話です。折り目が見えにくくても耐久性の証明にはなりませんし、中央が柔らかく感じられるだけで故障とも言えません。
僕が今回重視したのも、評価の強さより「何を確かめた情報なのか」です。購入者の体験談、レビュアーの試験、Appleの説明を分けると、発売直後の評判を読み取りやすくなります。
ポジティブ① 滑らかに開き、途中の角度でも止まる
WIREDのJulian Chokkattu氏は、実機レビューで、ヒンジが滑らかに開き、さまざまな角度で保持できると評価しています。まず伝わってくるのは、毎回手で触れる部分の完成度です。
角度を保てることには、単に開け閉めが気持ちいい以上の意味があります。画面を少し立てて使う場面では、思った位置で止まることが操作の土台になるからです。買う前に店頭で触れるなら、全開にする動きだけでなく、途中の角度での扱いやすさも確かめたいところです。
ただし、ここでの好評価は短期間の使用感です。数年後にも同じ手応えが続くかという問いには、まだ答えが出ていません。
ポジティブ② 3万回を超える開閉試験でも動作
Joanna Stern氏は、独自の機械でiPhone Duoを繰り返し折りたたむ試験を実施しました。本人のNew Thingsの記事でも、3万2,000回を超えて開閉したと紹介されています。

New Things/Joanna Stern|2026年10月21日
iPhone Duo review: The good, bad and buggy
専用の開閉試験機を使ったレビュー。記事の公開部分から本人のレビュー動画にも進めます。
MacDailyNewsが引用した試験結果では、4晩で3万2,640回に達し、目立つ劣化は見られなかったとのこと。計測ではヒンジが少し硬くなったものの、日常の使用感は初日とほぼ同じだったそうです。
これは心強い結果です。一方、この条件で試した端末が動作したことと、販売された全台で不具合が起きないことは別です。短期間に集中した開閉だけでは、長い年月の使用や、落下、異物の影響などを同じようには確かめられません。
開閉回数をそのまま「何年使える」に換算するのも避けたいところ。購入判断の材料になる試験ですが、製品寿命を保証する数字としては扱えません。
ネガティブ① 発売直後、ヒンジ沿いに画面が割れたとの報告
気になるのは、オーストラリアの購入者によるRedditへの投稿です。所有から約6時間、開いた回数はおそらく20回未満で、開く途中に内側のヒンジ付近に違和感を覚え、そのまま開くと音がして画面が割れたと述べています。
投稿者によると、Apple Storeで新品に交換されたとのこと。管理者も追加写真とAppleの書類を確認し、破損した端末と交換対応の実在には相応の裏付けがあるとしています。ただし、管理者自身も破損の正確な原因を独立に確認したわけではないと明記しています。

MacRumors|2026年10月23日(米国時間)
Crackgate? iPhone Duo Owners Report Screens Breaking Along the Hinge
購入者の申告と、中国の展示機とされる破損写真を紹介。写真の背景や問題の広がりは不明としています。
MacRumorsは、ヒンジ沿いの損傷や画面の明るい線が写った複数の写真を取り上げています。展示機の写真には扱われ方が分からないものもあり、同じ位置の損傷が、すべて同じ原因とは限りません。
また、複数の記事が同じ投稿を紹介していても、独立した故障事例がその数だけ増えたわけではありません。販売台数に対する発生割合が分からない以上、「全体に広がる欠陥」「ごくわずかな初期不良」のどちらにも、今は決めつけられないと思います。
ネガティブ② Xで話題になった、折り目付近の柔らかさ
発売前の10月20日には、Ice Universe氏が、WeiboのKang氏の映像をXで紹介しています。投稿本文は、折り目周辺が柔らかく、指で押すと表面にしわが生じると伝える内容です。
これは中央の触り心地を考える材料ですが、本人が購入した端末の故障報告ではありません。元映像の撮影条件や押した強さをこちらでは確かめられず、投稿内容だけで、通常操作でも壊れるとは判断できません。
見た目の折り目が控えめであることと、指で触れたときの段差や柔らかさは別の評価です。この投稿と発売後の破損例を結び付け、柔らかいから割れた、と原因まで説明するのは早いでしょう。
好評価と不安材料は、両方成立する
| 情報 | 分かること | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| 実機レビューの好評価 | 滑らかさ・角度保持への評価 | 長期使用後の変化 |
| 3万回超の開閉試験 | 試験した端末の結果 | 市販品全体の寿命・故障率 |
| 購入者の画面割れ報告 | 破損・交換の申告と裏付け | 原因・対象範囲 |
| Xの柔らかさに関する投稿 | 投稿が伝える表面の挙動 | 通常使用での耐久性への影響 |
良好に動く端末で高い評価が出ることと、別の個体で早期の不具合が起きることは矛盾しません。逆に、数件の報告だけで、問題のない端末がどれくらいあるかも推定できません。見たいのは賛否の件数より、独立した事例と、その後の調査結果です。
Appleの対処文書も確認。違和感があれば相談を
Appleは10月23日付で「iPhone Duo Troubleshooting Hinge Issues」を公開しています。最後まで開閉できない、開閉時の予期しない音、ヒンジの緩みなどを挙げ、ヒンジの問題にはソフトウェアによる対処がなく、改善しない場合は内側ディスプレイのアセンブリ交換を案内しています。
これは不具合時の点検・修理手順です。文書の公開自体を、今回の画面割れの原因をAppleが認めた証拠とは受け取れません。掲載されている他社製アクセサリの取り外しも、Apple純正の表面層を自分で剥がす話と混同しないようにしたいところです。
使っていて急な引っ掛かりや異音、画面の線や亀裂に気付いたら、無理に開閉を続けず、状態を記録してAppleへ相談するのがよいと思います。海外で即日交換された例があっても、日本での対応や在庫、費用まで同じになるとは限りません。
僕の現時点の受け止めは、ヒンジの使用感には期待できる評価がある一方、発売初日の破損報告は続報を見たい、というものです。すぐ試すなら店頭で手応えを確かめる。耐久性を重視するなら、原因の説明や長期使用の報告を待つ。自分が何を優先するかで選びたい製品ですね。
参考リンク
- Apple:iPhone Duo発表資料(ヒンジ・画面構造・発売日)
- WIRED:Review: Apple iPhone Duo
- New Things:Joanna Stern氏のレビュー
- MacDailyNews:Stern氏の開閉試験結果の引用紹介
- Reddit:オーストラリアの購入者による破損・交換報告と管理者の確認
- MacRumors:発売直後の画面破損報告
- X:Ice Universe氏によるKang氏の映像紹介(10月20日)
- Appleサポート:iPhone Duo Troubleshooting Hinge Issues(日本向けURL・本文は英語)
